元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
そう思うと、何やってるんだろうという無気力感があたしを襲った。
仕事しなきゃいけないのに。
先程までの疑問はもう念頭から消し去り、あたしは仕事に集中した。
ホッチキスを外すのは少し手間がかかったが、それからは特に問題もなく仕事を進められた。
だがやはりミスをした分の時間のロスは大きく、彼の手伝いを終えた時刻も普段より遅かった。
「お疲れさん。」
「お疲れ様です。」
それ故か、余計な事に気を回していたせいかは分からないが、とても疲れた。
「明日からもちゃんとやれよ!
じゃあな。」
「さようなら。」
彼は鞄を手にスタスタと職員室の出入口に向かう。
そこであたしはやっぱり気付いたのだ。
あたしを待っててくれたのだと。
迷惑をかけたのだと。