元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
明後日の約束―昴―
今日は疲れた。
会議があって、それからも色々あった俺は、学校にいる時不機嫌だったのかもしれない。
滝沢も俺の事を気にしながら仕事してるように見えたし、悪い事をしてしまった。
職員室にはいらっしゃらなかった戸田先生の机の上に二人分のレポートを置いた俺はさっさと帰った。
疲労もあるが、彼奴に駅か電車で会えたら謝りたいというのが最大の理由だった。
俺は月が雲に隠れている空の下、人の流れに逆らって駅に向かう。
大きな住宅地の最寄り駅であるこの辺りは、この時間は電車を出て帰宅する人々が多い。
その中をまるで世間の道徳に反しているかのように進むのは何だか気が重かった。
俺がやっと駅に着く頃、丁度電車が到着した。
沢山の人が降りた後で俺は電車に乗り込んだ。
俺は運良く席に座れたが、俺が降りる一つ前の駅でお婆さんに席を譲った。