元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
「よ!」
男は妃奈に声をかける。
顔を見たが、やはり俺の知らない奴だった。
「どうしたの、真幸?
家こっちじゃないじゃない。」
「用があって近くまで来たから、妃奈に会いたくなって。
携帯に連絡入れたけど、返事無かったからまだ帰ってないと思ったからさ。」
「それで待っててくれたの?」
要するに、彼らは付き合ってるという事か。
俺は放課後のようにまた苛ついてきた。
自分でも不思議だった。
滝沢だって大学生なのだから、彼氏がいたって全くおかしくない。
彼らが会話しているのが気に入らない。
今度はそんな自分が腹立たしくなってきた。
俺は、こんなにも心がちっぽけな奴なのか?
「まあな。
妃奈、そちらの方は?」
男が初めて俺の顔をまともに見た。