元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
家出したお嬢様
「ただいま~」
帰りの挨拶をしても、あたしが放つ音以外何も聞こえない。
当たり前だ。
お姉ちゃんは仕事で帰って来ないし、お母さんは近所のおばちゃん達と福引きで当てた温泉旅行行ってる。
お父さんも出張だ。
おかげで今日は一人だ。
あたしはヒールを脱ぎ、自室に向かう。
鞄を椅子に置き、ベッドに座り込んだ。
久しぶりに肉体労働を思いっ切りした体はなかなか疲れていて、お腹も空いていた。
晩御飯、何しようかな。
そんな事を考えてる矢先だった。
突然、大きな音がしたのだ。
あたしは原因である携帯電話を鞄から取り出した。