元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
多分真幸だろう。
明日はデートだし。
そう思ったあたしは、携帯電話を開くなり耳に当てた。
「もしもし。」
「もしもし妃奈ちゃん?
久しぶり!」
女の子の声がした。
予想外の展開に驚いたあたしは、一瞬誰と話しているか分からなくなった。
だが、全く知らない人ではない。
漸く声の主を理解したあたしは言葉を繋いだ。
「久しぶり!
元気だった?」
「うん。
元気なんだけどね…」
「どうしたの?」
「実は、妃奈ちゃんにお願いがあって。」
「お願い?
どうしたの?」
「突然で悪いんだけど、今から妃奈ちゃんのお家行かせてもらっても構わない?」
「いいよ!」
「ありがとう!
じゃあまた後でね!」
「はーい。
待ってるね。」
あたしは電話を切った。
だが、一つ聞き忘れてしまった。
何故、みやびちゃんは急に家に来ると言い出したのだろう?
今日は家にあたししかいないわけだから構わないが、用件ぐらい聞けばよかった。