元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
それから暫くして、みやびちゃんが家にやって来た。
インターホンが鳴ったや否や、とりあえず掃除を終えたあたしは玄関まで行きドアを開けた。
すると、人形みたいに綺麗に立ったみやびちゃんがこちらに微笑みかけた。
「いらっしゃい。」
「お邪魔します。」
みやびちゃんはそのまま家に入った。
大きなキャリーと共に。
「みやびちゃん、その荷物どうしたの?」
あたしは玄関で靴を脱いでいるみやびちゃんに問うてみた。
「えっと、実はね…」
あたしはその解答を聞いて目を丸くした。
「え!?
あ、とりあえずここじゃなんだよね。
上がって。」
あたしはみやびちゃんを自分の部屋に連れて行き、それから台所で紅茶を入れてまた部屋に戻った。
部屋ではみやびちゃんが、背筋を伸ばし正座していた。
「どうぞ。」
「ありがとう。」
みやびちゃんとあたしは紅茶を一口飲んだ。
「ねぇみやびちゃん、一体何があったの?」
「じゃあ、一から話すね。」
そしてみやびちゃんは、家出に至るまでの経緯を話し始めた。