元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~


「そう、だよね。」


「ああ。
疑ってる?」


真幸には、あたしの心の奥まで見えているようであった。


「そういうのとは違うんだけどね、」


今度は得体の知れない悲しみに襲われた。


あたしは真幸の手を少し強く握った。


「…そうだよな。
デートのはずが他に予定もないのに帰ろうとか言われたら、そりゃそう思っちゃうよな。」


真幸は歩くのを止めた。


自然とあたしの足も止まる。


またあたしは不安になった。


次はどうなるんだろう、と。


「いくらでも疑ってくれて構わない。」


「え?」


「どれだけ妃奈が俺のこと疑っても、俺が妃奈を愛してるのは変わらないから。」


「真幸…」


雲の先の青い空までもが見える気がした。


「変な事考えてごめんね?」


< 86 / 410 >

この作品をシェア

pagetop