元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
「そう、だよね。」
「ああ。
疑ってる?」
真幸には、あたしの心の奥まで見えているようであった。
「そういうのとは違うんだけどね、」
今度は得体の知れない悲しみに襲われた。
あたしは真幸の手を少し強く握った。
「…そうだよな。
デートのはずが他に予定もないのに帰ろうとか言われたら、そりゃそう思っちゃうよな。」
真幸は歩くのを止めた。
自然とあたしの足も止まる。
またあたしは不安になった。
次はどうなるんだろう、と。
「いくらでも疑ってくれて構わない。」
「え?」
「どれだけ妃奈が俺のこと疑っても、俺が妃奈を愛してるのは変わらないから。」
「真幸…」
雲の先の青い空までもが見える気がした。
「変な事考えてごめんね?」