元カレ教師・完結編~君がいる日々、いない日々~
-*-2nd Monday-*-
彼と彼女とあの子と
空は海のようであった。
その海の下では青春真っ只中の少年少女が走り、声を掛け合い、そして笑っていた。
今日が体育祭のこの運動場は大盛り上がりである。
「にしても本当に懐かしいね。」
「だよね。」
あたしと阿紗子は、教員席の方で100m走を見学していた。
ちょうど今それが終わったのである。
「妃奈、次の競技何だった?」
「えっと次はね…」
そこには初めて見る競技名が載っていた。
しかもこれまた物騒である。
「“人狩り競争”だって。」
「?
その名前誰が付けたの?」
「あたしもそれ聞きたい。」
“借り物競争”ならぬ“借り人競争”なら聞いた事あるが、“人狩り競争”は初めて聞いた。
「戸田だよ。」
あたし達の後ろには里田君がいた。