桜姫紀
葵に交われば桜となれ
第2章 葵に交われば桜となれ
「そこで構えろ!」
「はい!」
あれから7日。
夜行にもだいぶなじみ、
全く武術経験のない私は碌さんから手解きを受けていた。
「お前は動体視力がいい。それをもっと生かせ。」
「はい!!」
「おぉ~やってる。やってる。」
?声?
すると、トンと木の上から焔さんが落ちてきた・・
というより着地した?
「チッ、お前か。」
「碌だけがいい思いなんてさせないからな。」
「ハッ、やれるものならやってみろ。」
・・・なんでだろう。急に寒気がしてきた・・・。
この2人が怖いからかな。
まぁ絶対そうなんだろうけど!
「そういえば桜、明るくなったな~。」
「え、そうですか?」
不意に焔さんが言ってきた。
「何か、連れ出した時はすごい暗かった感じがした。」
まぁ自殺希望者だしね・・・。
「元々、桜はこういう性格なんだろ。
それがたまたま環境のせいで現さなかっただけだ。」
確かに、碌さんの言うとおり。
母上達が生きてたころはもっと明るかった・・・気がする。
何年も前で覚えてないけど。
そういう意味で私はここにきていろいろ助かってるんだな・・・。