桜姫紀
・・私葵さんに嫌われた?
ボソボソと夕餉を食べながら感じた。
何か悪いことしたかな・・・。

「ではでは今日の見張りを発表するわよ!」

雫さんが叫んだ。
雫さんは夜行内のまとめ役。
頼りがいがあってみんなも信頼してる。

「今日の見張りは、葵と桜ね。」

「えぇ!?それってヤバくないか!?」

秋人さんが叫ぶのも無理がない。
葵さんはどっちかといえば
夜行内では戦うというより救護担当。
というか本人は全く持って戦えないと、碌さんが言ってた。
そして私は入ったばかりの新人でこんな中で言えば
葵さんの次に最弱だ。

見張りというのは夜、私達の隠れ家を寝ずに見張ること。
寝込みを襲われるのが一番厄介だからだ。
しかも見張りは敵が来た場合、真っ先に戦わなければならない。
いわだ、かなり重要な役だ。

それを、私と葵さんに任せるなんて・・・。

「異論は認めませーん。年長者組と話合った結果なんだから。」

えぇ!?
年長者って、ことは碌さんもいるはず。
私が実力がないことを一番知ってるはずなのに・・・。

「はぁ・・わかったよ。」

あきらめたのか、秋人さんもそれ以上何も言わなかった。

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