桜姫紀
「疲れたぁ・・・。」

「あの後めちゃくちゃ叱られたしな・・。」

そう、その後結局遅刻となり
私達は掃き掃除床掃除などなど・・。
をめちゃくちゃにやらされたのだ。
竜はともかく私は遅刻、初めてなのに。

「っていうか、お前が悪いんだぞ。」

「そ、そりゃ私のせいかも知れないけど・・。
そんな言い方しなくてもういいじゃない!」

「はぁ!?ほぼお前の・・・。」

「ちょっと!?」

若干イラついてきた私だったが竜は聞いてなかった。

「おい。何だ、あれ?」

竜が指をさした方向。
顔を上げると私の家の周りには人、人、人。

「?何かあったのかな。」

近くにいたおばさんに声をかけた。

「何かあったんですか?」

「葵ちゃん!?良かった無事だったのね・・。」

そして、ぎゅぅと抱きしめられた。
その隙にこっそり竜が中を見る。
・・私の家なんですけど。
文句を言おうと竜に口を開きかけたその時。

「・・・嘘、だろ。」

竜の語尾が震えていた。
明らかに普通ではない、事態が起きたように。
私は嫌な予感しかせず、たまらずに叫んだ。

「竜!?いったい何が・・。」

「見るな!」

そう言って扉の前に立たれる。

「何よ!いったい何が・・・
え?」



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