桜姫紀
「・・良かった。」

「え?」

竜さんが私にそっと言った。

「葵が心配してたぜ?自分は嫌われてるかもって・・。」

ちょっと待ってください。
なぜですか?
私の方こそ嫌われてると思ってたのに!

「お前、着物から着替えた時、葵に手伝ってもらっただろ?」

「あ、はい・・・。あ!」

「思い出したか?」

あの時、確かに葵さんに変な態度取っちゃったかも・・。

「でも、私も葵さんに嫌われてると思ってました。」

「それは、そうだろ。
葵が自分は嫌われてるかも、って思ってお前のこと避けてたし。」

なんか誤解は誤解を呼ぶってことを身にしみて体験。

「まぁ、こうして仲直りできてたしいいんじゃないか?」

ま、そうだよね。

考えてたって仕方ない。


とりあえず、夕餉ができたといっている瑠衣さんのもとへ走っていった・・。
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