桜姫紀
ー翠の国 城内
あらかじめ用意していたのか、竜さんが空に向かって・・
爆弾を、投げた。
パン!!
と、綺麗に爆発した。
いや、爆発に綺麗も何もないか。
「敵襲だー!」
「火の手が上がったぞ!」
「南の門からだー!!」
「さて、」
雫さんがくるりと振り返って言った。
「雑魚はこれでまいたわ。でも、」
「ほう・・・。夜行の集団直々にお迎えとは・・・。
探す手間が省けたな。」
女の人。
布をかぶっていて顔はよくわからないけど・・・。
声からして、かなりの高齢じゃないかな・・・。
「ごめんあそばせ、球螺様(きゅら)。」
ごめんあそばせ、と言ってる割には瑠衣さんの顔は楽しそうだった。
「戯言を。・・・・ほぅ?その小娘・・・。」
私に近寄り、くぃ、と顎を持ち上げた。
・・どっ、どうして?
体が動かない・・?
「桜の姫か。」
からからと、不気味にこの人は笑った。