桜姫紀
やっと見えた真実は
第6章 やっと見えた真実は
「あれ・・・。」
ふっ、と私は目を覚ました。
頭がくらくらする・・・。
目をこすろうとしたら、私の手は上で鎖につながれていた。
ぐっ、と力を込めてみても、鎖はびくともしない。
・・・というか、力が入らない。
「あら、やっとお目覚めかしら?」
顔を上げる。
あの、呪術師ではない。
それより若い、女の人・・・。
「あれ、私のこと、わからない?」
いえ知りません。
と、言うのもなんか嫌なのでただ睨みつけておいた。
「そうねー・・じゃあ、『蝶』といえばわかるかしら?」