桜姫紀
ドクン!
と、心臓が飛び跳ねるかと思った。
でも、蝶さんは死んだはずじゃ・・?

すると、クスクスと馬鹿にされたような笑い声を蝶さんはあげた。

「わかったかしら?葵から話は聞いたのでしょう?」

「貴方は、・・死んだはずじゃあ、」

クスリ、と馬鹿にしたように笑った。

「ここまで思い通りにだまされるとかえって、かわいそうねぇ。」

どういう・・・。

「教えてあげるわ。」


「銀、葵の兄を殺したのは私よ。」

え・・・・・・・・。
ダメ、状況が上手く・・・。


「私はねぇ、財産目当てであの男と祝言をあげたのよ。」

そんな、

「あの男の寿命は短くはなかった。
そこにつけこんだのよ。財産は子供じゃなくて妻に譲られるからねぇ。」

嘘・・・。
だって、だって、

「なのに、あの男は10年も生きちゃって。殺してあげたわ。」

貴方のことを、葵さんは信じてたのに・・・・。
< 51 / 73 >

この作品をシェア

pagetop