桜姫紀
風に誘われた花の色
第7章 風に誘われた花の色
「桜!」
「はっ、はい焔さん?」
碌さんから教わって刀の練習をしていたある日、いきなり焔さんから呼び止められた。
「前、一緒にどこか行くっていったよな?」
・・・・言ったっけ?
ちら、碌さんを見るとハァ、とため息をついている。
「言ったよな?」
「・・・言いました。あ、でも今は修行が・・。」
「いいぞ、行ってこい。」
へ?
「え、珍しいな。碌がそんなこというなんて。」
「これで、借りは返したからな。」
借りって何の?
「あぁ、碌が操られていたのを解いたの俺なんだ。」
え、そうなの!?
「あぁ。桜のことを言ったら結構簡単に解けたぜ!」
「そうなんですか!?」
見ると、碌さんはうつむいて顔真っ赤。
「桜。」
「?、はい?」
「あの時は・・・すまなかった。」