桜姫紀
「長く待たせちゃって…」

ちら、と焔さんを見上げると
呆れた表情。
うん、なぜ?

「この鈍感さは異常だな―…。」

「?」

すると、何でもないと言って私の頭をなでた。

「俺も…碌や秋人、俊には負けない。」


―その声は私には届かなかった…。

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