桜姫紀
「食べないのか?」

ハッ、と私は我に帰った。

「すっすっ、すみません!いやその・・お団子って食べたことなくて。」

ブッ、とお茶を飲んでいた焔さんが咳き込んだ。

「だっ、大丈夫ですか!?」

「あぁ・・・そういえば、抜け出した時桜異常なほど軽くなかったか?」

「あー・・・・。あまり食事をしてませんでしたから。」

「その・・お前の叔父さんは食事も出してくれなかったのか!?」

焔さんが怒鳴る。
真剣な目で。
なんか、ここで怒らせたらマズイよね・・。
周りの人たち、見てるし。

「あ、いえいえ。私が勝手に食べなかったんですよ。」

「・・・本当か?」

じっ、と黒い瞳で見つめられる。
たまらず、私は目をそらした。

「う・・・。本当、です。」

「嘘だな。」

一発でバレたぁぁぁ!!
何、私って嘘が下手なの!?

「そういうことは、嘘をつかなくてもいい。」

そういって、またポンと頭をなでられる。






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