桜姫紀
「さて、もう行くか!また、来ような!」

立ち上がる焔さんを見て、私も頷いた。

「はい!」

焔さんが懐から巾着を取り出してお金を・・・
・・・・。
あれ。

黙って焔さんは固まってる。

「どっ、どうかしましたか・・?」

「お金を忘れた。」

わっ、私のせいだ。
完璧焔さんに頼ってたよ・・・・。

「じゃっ、じゃあ焔さんはここで待っててください。
私、お金取ってきますから!」

「いや、でも桜帰り道わかんないだろ。」

おっしゃる通りです・・・。

「俺取ってくるよ。ちょっと待っててくれ。」

「すみません・・・。」

私が謝って顔を上げたときには、もう焔さんはいなかった。



< 67 / 73 >

この作品をシェア

pagetop