桜姫紀
「はぁ・・・。」

もうこれで何回目かわからないため息を私はついた。
だって呆れたんだもん、自分に。
焔さんに完璧頼っていた自分が情けない。
道だって、行く途中に覚えればよかった・・・。

「ねぇ、君。」

お金だってそうよ。
自分でちゃんと持ってきてればこんなことにはならなかったのに・・・。

「ちょっと、君。」

あぁ、もう自分に呆れるよ。
はぁ・・・ともう一度ため息をつこうとしたその時。

「ちょっと聞いてる!?桜の着物を着た君!」

「はっ、はい!!」

顔を上げれば焔さん達と同じくらいかな、
それくらいの男の人がはなしかけてきた。

っていうか私!?
まさか長くいるからどいてくれみたいな!?

「まったく・・・。ひどいなぁ、ずっと声かけてきたのに。」

はぁ、と男の人がため息をつく。

「すっ、すみません・・・。」

とりあえず私は謝っておいた。
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