桜姫紀
「私は葵です。よろしくお願いしますね、桜さん!!」
私よりやや小柄な少女が言った。
なんかほんわかしてる子だな。
傍にいるだけで癒されるというのはこういう子をさすんだと思う。

「おれは竜(たつ)。よろしくな。」

うーん、なんか掴めない性格だな・・・。

「言っておくが俺と葵はお前より1つ年上。」

「えぇ!?」

いや、竜さんはわかるとして、葵さん、絶対年下だと思ってたのに!!

「また同じ反応・・・。うぅどうしてでしょうか、
あれですか!?背ですか!?」

「あ、」

まずいこと言ったかも・・・。

「い、いやあのごめんなさい・・なんかいろいろと・・。」

「最後に俺ら年長組だな。」


焔さんが完璧葵さんを無視してしゃべりはじめた。
葵さんまだぶつぶつ言ってるんですが・・。

「一応改めて紹介すると俺は焔。この『夜行』の長だ。
年は数えで16。」

この人が長なんだ・・・。

「私は瑠衣!困ったことがあればじゃんじゃん言いなさい!!」

う・・勢いに負けそう。
なんかみんなを引っ張っていく感じ。
こう・・・、姉御系?

「碌(ろく)だ。」

こちらはまた物静かな・・・。

「よっしゃ堅苦しい挨拶は終わりにして・・・」

スッと焔さんが私に手をさしのべた


「ようこそ、盗賊一味『夜行』へ!!」


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