大人彼氏







「まだいたんだ」



テレビを見ていると後ろからお兄ちゃんが声をかけてきた。




「もうすぐ迎えにくるのー」



あたしはリモコンでチャンネルを変えながらそう言った。





「なんかお前さ顔いつもと違くね?」




「どう?大人っぽい?」



あたしは顔を覗き込んでくるお兄ちゃんに首をかしげて聞いてみる。



「いや、なんか変。
大人っぽいっちゃ大人っぽいけど
いつものがよかったんじゃね?」




「だっていつもと一緒だと子どもっぽいんだもん」




顔をしかめながらそう言うお兄ちゃんにあたしは口をとがらせながら言い返した。





「子どもっぽいってお前は子どもだろーが」




何言ってんだ。とお兄ちゃんは2階に上がっていった。





「子ども子どもって・・・」




1人残されたリビングで文句を言うようにつぶやいた。













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