大人彼氏
「よかったじゃーんっ。
あたしも付いてこっかなー」
「だめーっ!
沙織は亮輔とラブラブしてなー」
「えー。
あんな子どもくさいやつと
ラブラブなんてしたくないね」
そう言いながらも幸せそうにしているのは沙織。
小学校から仲が良くてなんでも話せる親友。
沙織の彼は隣のクラスの宮崎亮輔。
去年はあたしと沙織と亮輔と3人とも同じクラスだった。
だけど2年生になってからは離れちゃったんだ。
でも仲は相変わらず良くて3人で遊ぶこともある。
まぁ、二人のイチャつきを見せられるけどね。
昨日のことを話すと沙織も喜んでくれた。
「でも土曜日までの道のりは長いよぉ」
あたしは携帯を開いて待ち受けを見る。
「また待ち受け見てるー」
沙織はそう言いながらあたしから携帯を取り上げる。
「あっ、ちょっとぉー」
「いやぁ~。
やっぱ何回見てもカッコイイねー」
沙織は写っている智志くんを角度を変えて見ている。
「ふふふっ。でしょー?」
友達にそう言われると、自分のことじゃないのにすっごく嬉しくなる。
「うわー。ノロケかぃ!」
沙織はそう言ってあたしの頭を軽く叩いた。