枯れた瞳。

「知ってる人あんまりいないよねえ……」

『うん…。でも，私は凜憂がいるから別にいいしっ♪笑っ』

「あたしもーっ！」

他愛もない会話をしながら，たどり着いた教室。
後ろのドアから眺めている教室には……知らない人の集団。

「何か…不安になって来たんですけど…」

『私もです……苦笑』
……………。

長い沈黙が二人の間に流れた…。

『とりあえず，席つこっか…』

「うん…。」

あたし達は，空いている席を見つけて座った。
しばらくして，担任らしき先生が教室に来た。担任の見た目は，びっちり決めてある七三分け。 デカイ眼鏡にアオヒゲ…いわゆるヲタクって感じ…。
秋葉にいそう…。
あたしは直感で思った。
箕輪先生は出席番号順に席に座れと指示し，出席番号を読み始めた。
あたしは前から，二番目。
回りは見事知らない人ばかりだ…。
深紗は松永だから，かなり離れちゃって，不安に陥るあたし…。
しかも，前も後も男だし…。