枯れた瞳。
洋太とは,その日から仲良くなることが出来た。
近くに知り合いがいなかったあたしにとって,洋太の存在は大きな勇気になった。
明日も明後日も,洋太とたくさんの話しが出来ると思うと,学校に行くのが楽しみで仕方なかった。

洋太は本当に幼い顔をしている。
なのに髪形は不良みたいに,耳より長くて後もストレートに長い…女の子みたいにいつもさらさらしてる。
…洋太の話す時ちゃんと目を見て話すくせ…あたしは苦手。恥ずかしくていつも目を反らしちゃうから……。
あたし,洋太が好きなのかなあ…。
出会いを待っていたくせに,分からない…。矛盾してるけど…出会いは待っていたけど,恋は期待していなかった…。
あんなに辛く,悲しい想いをするなら恋なんてしない方がいい。って思っていたはずのあたし…。
どうなってんだろう…

−4月のある日…

『…天谷。何で俺が話してる時,いつも違うとこ見てんの?』

「えっ?!!」

『お前,いつも話聞いてんのか分かんないんだけど。』

「……。」

『まあいーやっ!!ってゆーかさあ,天谷って好きな人いるの?』

「えっ!??
いきなり話変わり過ぎだよっ!!」

『さっきの話は終わったの!でっ,居るの?』
「…居るよ。」

『マジでっ?!!』

「こんな事,嘘つかないからっ!!笑っ」

『いるのかあ…。じゃあ逆に嫌いな人は?』

「普通に居るよっ!」

『その中に,俺入ってるよなあ〜…っ』

「…入ってないよ。」
『本当に?俺,お前に嫌われてるかと思ってた!!!!』


「嫌われるような事したっけ…??」

『してないと思うけど……。』

「じゃあ嫌う必要ないじゃん!!」
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