あの日の僕ら
ドキドキ・・・!


「また会おうね。」

二人で そう言って約束したあの日。
あの時 僕らは小学生だった。
そして時は流れ――

16歳の春。
僕らは出会った。



ぴょこんっと背伸びをして 沢山の人の後ろに 並んでいる
私は 吉田 ひよ。
16歳!!
高校の入学式です。
ちなみに身長は147cm小さくなんかありません。
ただ 皆より少し低いだけ。
今日は入学式だから 学校の体育館は混み混み。
本当 沢山の人で 私は潰れてしまいそうで―・・・・

ドンッ

「キャッ!!」
私は人に押され、どさっと地面に倒れこんでしまう。
「アイタタ・・・」
私は 片目をつぶり痛みを我慢する。
すると「大丈夫?」頭上から声がした気がした。
「え・・・?」
ふと上をみた。
すると 私の前に黒ぶち眼鏡で黒髪の男の子が心配そうに私を見ていた。
「はい。」
その子は私に手を差し出してくれた。
「あ、ありがとっ」
その手に支えられ私は身を起こす。
「ぷッ・・・・あっははははは!!」
私が立つと その人は急に笑い始めた。
「なッ何?」
不審に思い聞いてみると・・・
「アンタ小さいな!!」
と また笑い始めた。
ムカッ

「・・・小さくないよッ!!それに私の名前はひよッ!!『アンタ』じゃないからッ!!」
私は その人をキッと睨んで 怒った。
「ぉ、自己紹介?俺は岡野 優。よろしく。ひよ!!」
その人は笑って私に自己紹介した。
「よ、よろしく優。それからッ―――」

『はい、新入生の皆さんおはようございます。席に着いてください。』
マイクを通じて校長先生の声が聞こえた。
「やべッ!また後でなッ」
「う、うん。後で・・・。」
そう言って優は行ってしまった。
まだ“ありがとう”も言ってないのに・・・・。
大丈夫。また、出会える・・・よね?



桜が舞ってる春が来た今。
止まっていた時間が動き出す。
君と出会う奇跡に近づく。
あの日 約束した君に――・・・・。
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