あの日の僕ら

彼が私を呼ぶの。
「ひよ・・・ひよっ」
って。
分かってる。
あの人だ。
‘約束’した。
また会おうって
言ってくれた。

「ひよ、起きろって。ひよ!!!」
あれ?
起きろなんか言われたっけ?
「起きなさい!」
あれ 桜・・・?

パチッ
と目を覚ますと目の前には優の顔。
「ぅわぁ!?ゆ、優ッ!?」
ビックリして声をあげると 皆が笑った。

『起きるのが遅すぎ』らしい。
「だって、起こしてもらってないもん!」
と 私が言うと
「「「起こしたよ!」」」 と 一斉に返ってきた。
「うぅ・・・すんません」
私は泣く泣く謝るハメになった。
「さ、帰ろ。」
桜が私に言う。
でも・・・。
「もう?」
もの足りなさが私にはある。
「大丈夫、また来れるって!」
って優も言った。
でも・・・




「じゃあなぁー!!」
直が一番に帰っていく。
結局帰るんだよね、
ハァ。
今は夕方5時。
優が私に囁く。
“今夜0時外に来て。それまでに寝ておくこと” と。
どうしてかは分からないけど。
私はその言葉の通りにした。
すると 優は
私を自転車の後ろに乗せて漕ぎ出した。
「ちょ、どこ行くの!?」
私は優に向かって叫ぶ。
小声でね?
すると優は
「目をつぶってろ」
って言った。
意味わかんない。
優、どこいくの?
でもわたしは目を閉じた。
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