あの日の僕ら
私は訳が分からず頭に?マークを浮かべる。
「ひよ!私達が今どうして笑っていられるかわかる?」
桜が私に聞いた。
「え?」
私は訳がわからなかった。
「俺達が笑ってたのは出会えたからだよ!で、出会えたキッカケをくれたのは・・・・」
直は私に少し 意地悪っぽい笑顔をむけた。
「ひよ。・・・お前なんだよ。」
最後に 優が私に笑いかけた。
「・・・っぷ!!」
3人そろって同じ事を考えてるって凄いッ!!
私は つい噴いてしまった。
「あ~!私らがせっかく良い事いったのに笑ってるッ!!」
桜は少し怒ったそぶりをみせた。
「あはは!ごめんッ!!」
私は笑いが止まらなかった。
「ったく。なんなんだよ~」
直が ため息をつく。「何で笑ってるのか気になるよなぁ?」
優はそう言って相槌をうった。
『はい。皆席について―――』
先生が 教卓の上に立つ。
「じゃ、また後で。」
優は私にそう言って自分の席に戻っていった。
私はその背中をただただ見つめていた。
「ふぅん?」
桜は私を見てニヤニヤしていた。
「・・・何?」
「彼氏?」
「違うっ///」
私は最後の言葉が大きくなってしまった。
『はい。静かになぁ~』
「す、すみません。」
先生に注意をされた。
クラスに少し笑いが起こった。


そして帰り道―。
「ひ―よッ!」
机の上に鞄を置き 帰る準備をしていると 上から声が降ってきた。
「・・・優?」
私は 上をみた。
優だった。
変わらない笑顔で 私を見ていた。
「よく分かったな。」
優は私に驚いた顔を見せた。
「うん。」
だって・・・上からの声は最初からずっと優だったから。
私は 心の中で呟いた。
「一緒に帰ろうぜ。」
「いいよ!じゃ桜、直ばいばいッ!!」
私は二人に手を振って別れた。

帰り道には視線を沢山感じた。
それはきっと私の背が低いから。
でも いい。
馬鹿にされても それが友達になるキッカケにもなるから。

優とは沢山 話した。今日 出会った時の事。
いつも上から声がした事。
友達が出来た事、沢山。




桜の花びらが 舞っている中、私達は二人で歩いた。
止まっていた時を埋めていくかのように――。
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