僕タチの旅
真夏
藍side
真夏の青い空の下、やたらと目立つ白い掲示板。
と、そこの一番端に書かれた私の名前。
「すごいー、藍。また一番だね。」
急に裏から抱きついてきたのは、親友の春陽。
『たまたまだよ。』
「いつも一番のくせにー。あたしなんか表にも載らないのに。」
口を尖らせて言ってくる春陽を私はなだめながら、教室にむかう。
「ねー、藍、進路調査書出した?」
『出したよ。』
「どこ志望にしたの?」
『桜坂女子大。』
「もったいないよー。藍ならもっといい大学行けるのにさぁー。なんか理由でもあるの?」
『地元離れたくないだけ。』
まだ、何か言いたげな春陽を苦笑いでかわした。