僕タチの旅
東鴎か…。
速人と付き合う前なら、考えたかも。
今は、ちょっとね。
東鴎のある街まで、ここから新幹線で3時間。
絶対、無理。
今より、速人に会えなくなるじゃん。
「藍、やっぱ変。」
春陽が心配そうに覗きこむ。
考えてたこと顔に出てたみたい。
『なんでもないよ。』
「何かあったらいつでも言ってね。」
私は春陽に微笑むと軽く、頷いた。
いつも、この瞬間、胸が痛むんだ。
でも、この恋を守るためには仕方ないこと。