僕タチの旅
速人side
教室に駆け込むと、一番に目がいくのは、もちろん藍の席。
窓際の前から2番目。
開けられた窓から吹き込む風で、顎の辺りで切り揃えられた髪が揺れていた。
ちょっと微笑むと、やわらかく微笑み返してくれた。
藍が笑ってくれると、また頑張ろうって思える俺は、相当単純だ。
担任が入ってきて何か話し始める頃には、俺は睡眠タイム。
授業はほぼ睡眠学習。
その結果、赤点オンパンレード。
もう、先生も諦めて起こしもしない。
どれくらい寝たんだろう。
隣の席の神崎に起こされたときには、もう太陽が高くあがっていた。