僕タチの旅
春陽には申し訳ないけど、本当の理由は言えない。
誰かに話してしまったら、この恋は終わってしまうから。
教室から、外を見ると校庭がよく見える。
たくさんの生徒が朝練をする中、あたしは一人の人に目を奪われる。
すらりと伸びた手足。
小麦色に焼けた肌。
そこから少しだけ覗く真っ白な八重歯。
真夏の太陽の下、みんなが元気を無くしていく中で、彼だけは太陽の光を吸収して大きくなっていくように見える。
これは、かなり贔屓入ってるかも知れないけどね。
彼が私の彼氏。
唐沢速人(カラサワハヤト)