僕タチの旅
でも、私はどこかに自分でブレーキをかけてた。
速人は陸上部。
どんなに好きでも付き合えない。
私も速人も辛い思いをするって。
だから、好きだと思うようになっても、態度に出さないように頑張ってたの。
だって、私が速人を好きだってバレたら、友達でさえいられなくなるでしょう?
そんなの嫌だったんだ。
友達ってだけで満足だった。
速人が学食で声をかけてくれるだけで満足だったのに。
ある日、速人が声をかけてくれなかったの。
いつも会うと、あの笑顔で笑いかけてくれたのに…。