僕タチの旅
と、面倒な気持ちを隠すように優等生らしい声を出した。
「早瀬、桜坂女子大って本気なのか?春先から言ってるけどお前なら、難関の私大や国立だって狙えるんだ。もったいないぞ。」
『私は地元に残りたくて、桜坂女子大を志望してるんです。桜坂女子大にも私の希望してる学部はあるし、私も春先から言ってるように、志望変える気ないですから。』
今度はぴしゃりと言い放った。
何度言っても諦めないんだもん、この先生。
「とりあえず、もう一度話し合おう。放課後指導室に来なさい。」
『は…?』
私が次の言葉を言い掛けたときには、先生は私の席を離れてしまっていた。
最悪…
いつも放課後は教室で勉強しながら、速人の部活見てるのに…。
「藍ー、すっごい顔してるよ?殺気だってる。」
『あは…。だって先生しつこいんだもん。』
「やっぱり藍に桜坂はもったいないよー。あたしだったら絶対、東鴎行っちゃう。」