最後の贈り物
バシッ
静かな下足室に響きわたった。
「私のファーストキス、返してよ!こんなファーストキス・・・嫌だよ!」
ただ、ただ、涙が止まらなかった。床に落ちていく涙の音がした。
桂木君は黙って私にビンタされた所を押さえて私を見てた。
「最低。」
私はそれだけを言い残して走っていった。
ファーストキスがあんな形で終わるなんて予想もしてなかった。
愛のないキス・・・・
して何の意味があるの?
心が段々、深く沈んでいくのに気がついた。