執事と共に雪遊びを。
「まずは、どこから行きましょうか」

「とりあえず、外に出たいの。歩ける場所の範囲で構わないわ。花の置かれた病室が見える場所」

「こちらです」


カラカラと、点滴キャスターを引きながら春樹はいつもそうするように歩き出した。

その顔に、あの独特な無防備さはない。
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