執事と共に雪遊びを。
ふと、胸の高さ、と言われそこを見ると、黒い寝間着から鎖骨がのぞき思わず心臓が高鳴った。

普段、ワイシャツのボタンはきちんと第一ボタンまで閉めているため、あまり見ることの無い場所だった。


「お嬢様?」


春樹が、不思議そうにこちらを見返していた。


「なんでもないわ。それより、内側って言ったのよね。文字は病室の中から書かれた、ということよね」

「はい。幽霊は中にいる、と言うことでしょうか」


――冷気をたっぷり含んだ風が吹いた。
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