執事と共に雪遊びを。
急に不安を感じた。


――静か過ぎる。


病院なのに、看護士も、患者も誰も居ない。

人の気配が遠のいていた。


――先日、人が亡くなった病室の前で。


恵理夜は、立ち上がることも出来ずに窓を見上げた。

窓の外は日が沈み始めていた。

黄昏時、と呼ばれる暗さだ。

妖しに出会いやすい時間、そして、魂を持っていかれると言われる時間。
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