執事と共に雪遊びを。
――トン……トン……トン……


遠くからか、近くからかわからないが奇妙な音が聞こえた。

誰かが、頼りない足取りで歩いているような。

そう、廊下のリノリウムではなく、外壁のコンクリートの上を歩くような。

恵理夜は、ついに震えだした。


「恵理夜様っ」


廊下に、春樹の声が響き渡った。
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