執事と共に雪遊びを。
恵理夜は、最後にこう問いかけた。


「あの、貴女はこの怪奇現象、信じられますか?」


意外な質問だったのか、看護士は一瞬目を見開いた。

そして、――


「ええ、みんなが言ってるもの。起こってても不思議ではないわ」


と、真摯な表情で頷いた。


「ありがとうございました」


二人は、丁寧に頭を下げた。


「いいえ。それじゃ、くれぐれも引き抜かないで下さいね」


そう春樹に念を押して看護士は出て行った。
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