執事と共に雪遊びを。
「何か、わかりましたか?」


点滴の具合を確かめながら、春樹は問いかけた。


「少なくとも、あの看護士さんは嘘をついていない」


恵理夜は、相手の嘘を見抜く不思議な勘を持っている。

その勘は、二人を幾度と無く助けてきた。

春樹も、その勘には信頼を置いている。

――ただし、全ての人間にその勘が及ぶわけではないのだが。

事実、春樹にはその勘は及ぶことはない。
< 89 / 156 >

この作品をシェア

pagetop