執事と共に雪遊びを。
「病室の窓って、みんな中庭に面しているのよね」


恵理夜は、そう問いかけながら、そのメモで折り紙を始めた。

考え事をしながら折り紙を始めるのは恵理夜の癖だった。


「そうですね。中庭は四方を病棟で囲まれてますから」


恵理夜は、折り紙を続けながら窓際に立ち、春樹のベットに腰掛けた。


「大体、あの辺りから始まってるのよ。花も、結露の文字も」


三角に折った折り目に出現した数字が231号室。

恵理夜は正面の2号棟を指さした。

もう一度三角に折ると、3号棟の数字が現れる。
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