執事と共に雪遊びを。
「そして、徐々に3号棟に移ってきてるの。階数はばらばらだけど」

「結露の文字は」

「花と同時に、が多い見たいね。あるいは、花が出る前、とか。でも、文字が出た部屋には必ず花が出現してるわ」

「なるほど」

「中から書かれた文字と、外に置かれた花……犯人は、中と外、どっちにいるのかしら」

「実は二人居て、一人は中から文字を残して、一人は外から花を置いていく、とかでは」

「でも、外から何かするのは不可能に近いって言っていたじゃない」

「では、どちらも中から、ということですか?」

「相手が、人間ならね」


そう呟いて、完成したアヤメの花をテーブルに置き、窓の外を見た。
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