桜色の初恋
ゆさゆさと肩を揺さぶられ、ゆっくりと瞼を開くと、
「せ、んせい?」
すぐ近くに先生の顔がある。
「お前寝すぎ。まぁ俺がほったらかしにしたから悪いんだけどよ」
そっか、あたし眠ってたんだ。
そうだよね。
この時期はどうしてかとても眠たくなる。
「遅いし、送ってく」
「いいえ、近いので歩いて帰れます」
起きあがって椅子から立ち上がるとまっすぐ先生を見て告げる。
「でも」
「いいの。大丈夫だから。気にしないで?」
にっこり笑うと
「やっぱお前おかしいな」
先生までつられて笑い出す。
「どうしておかしいの?」