桜色の初恋

少しだけ気になって質問してみると

「だって、彼氏なら送ってよってお前言いそうだからな」

「ヒドい、あたしいくら何でもそんなこと言いません。それに・・・・」

「それに?」

「彼女でいるのは放課後の、この時間だけでいいんです」

「そっか。んじゃあ帰るか」


先生も立ち上がって、荷物を持つ。

二人で廊下にでると、先生は実験室に鍵を閉めた。

真っ暗な廊下。

昼間とは違い、寒さが直接肌に刺さる。


でもそれでもよかった。

先生と二人きりでいられるなら

肩を並んで歩けるなら。



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