ロリータと僕


「 美島! おい美島! 美島隆雪! 」



話しかけて欲しくない、そんな理由だったのに妙に集中していて先生が俺を呼ぶ声が遠く微かに聴こえ、慌てて返事した。


「 はい…? 」


「 だからなあ!南川の隣だから手あげろって言ってんだろ!? 」


無駄に声を荒げる
教師を白い目で見、南川という人に眼を向けた。





((変な格好))

フリフリのレースに
全身まっピンク。

雨が降っていないのに
傘。

頭までフリフリ。

鞄は小学生が使っていそうな苺の形の鞄。



ぽかーんとした口を
閉じて、手をあげる。


彼女はそそくさと
僕の隣に座り、ぺこりと一礼した。


変な服だし変な子だな。



「 キーンーコーンーカーンーコーン 」

学校特有の鐘が響く。


俺は時間が止まれば
いいのにと密かに思い教科書を開いた。


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