奏でる愛唄
むしろ……
すぐそこまで答えは出そうで出ないもどかしさ
「………違う。嫌いとかじゃないんだよ………わかんねぇ……」
力を入れていた手が急にスルッと腕を離した
「何でもねぇ……。教室戻れば?もうすぐ午後の授業だろ」
昼休みも残り1分
ふと見つめたグランドには
体育を受ける生徒が体操服姿で集まっていた
「永久も戻ろうよ」
「俺今から仕事あるし」
「そっか……じゃあ戻るね」
1人残された静かな屋上に扉の閉まる音が広がった