奏でる愛唄




そして



「ごめんなさい!」



深く頭を下げた



「そっか………唄ちゃんは好きな人がいるんだ」



学校の空き教室



新からの告白を断った




だって好きなのは新じゃない



ずっと詩稀が好きだから



「ほんとに……ごめん」


「いいよ。これからも友達だよ」



私が傷つけているのに笑っている新



本当にごめん



心の中でもう一度謝り



ごめんの変わりに




「こんな私を好きになってくれてありがとう」



「じゃあ詩稀の所行って」


首を縦に振り教室を飛び出した


1人残された新が



「フラれちゃったか……」


袖口で涙を拭いているとも知らず




< 144 / 230 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop