奏でる愛唄
そして
「ごめんなさい!」
深く頭を下げた
「そっか………唄ちゃんは好きな人がいるんだ」
学校の空き教室
新からの告白を断った
だって好きなのは新じゃない
ずっと詩稀が好きだから
「ほんとに……ごめん」
「いいよ。これからも友達だよ」
私が傷つけているのに笑っている新
本当にごめん
心の中でもう一度謝り
ごめんの変わりに
「こんな私を好きになってくれてありがとう」
「じゃあ詩稀の所行って」
首を縦に振り教室を飛び出した
1人残された新が
「フラれちゃったか……」
袖口で涙を拭いているとも知らず