奏でる愛唄
走ってる途中思わず足を止めた
このまま詩稀に会っていいの?
圭のことがあって恋愛はしないって自分で決めたのに
そこに運良く詩稀が廊下の向こうにいるのが見えた
「唄」
どうやら私がいるのも向こうから見えたみたいだ
詩稀が好き……
伝えたいけど伝えたらきっとまた何かを失う
だから
「詩稀………今、新のこと断って来た」
詩稀から笑顔は消え徐々に真面目な顔になった
「ごめんなさい」
再び頭を下げた