奏でる愛唄



「諦めないって言ったらきっと唄は困るんだよね……」



切なそうに笑う詩稀を見るのが辛くて1度上げた顔を再び下げた



「迷惑な訳ない……だけど気持ちに答えることは出来ないから」



苦しい……



ここまで言葉を吐き出すと糸がプツンと切れたように




押し出されるように涙が溢れた



こんなにも詩稀が好きなのに……



「泣かないで。俺、泣かせる為に告った訳じゃないし」



たとえフラれても友達として唄を支えると言って詩稀はこの場を去った






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